ウルトラマンブレーザー第16話「恐怖は地底より」感想
今週も最高の回だった!
あの見た目でえげつない攻撃するじゃん、からのコメディ要素強めの回で楽しめました。
でも自称・考察系感想ブログ(今初めて言った)なので、今後の展開も勝手に予想していきます。
幻視怪獣モグージョン
次回予告の時から、カラフルで愛らしい見た目だなあとかウルトラマンタロウとかに居そうだなあとか思ってたが。
まさか令和の時代にガッツリ人間捕食タイプの新規怪獣が出るとは思わなかった。
しかも、恐怖の幻覚を見せるとかいう厄介な機能付きで。
まあ、哺乳類捕食タイプといいつつ舌がビルに向かってまっすぐ伸びなかったあたり令和だなぁと感じた。
絶対に、昔のウルトラマンならビルの中の人めがけて一直線で舌が伸びてたね!ビルの中の人助かってよかったね!
ちゃんと、土の中の生物だから地上に出るまでに慣らしの時間を必要とするとか、幻覚作用のあるガスの可能性を疑うとか、怪光線の影響をSF的に説明するとか、怪光線が出る前に掌の穴から触手のようなものが出るとか、細かいところがしっかりしていた印象。
後忘れてはならないのが、戦闘時の賢さ!
初めからウルトラマンブレーザーが怪光線対策を知っていると見るや、次の攻撃から掌を見せて光を出さないフェイントを使ってくる。
レインボー光輪をサーカスの芸のようにあしらって投げ返す。
極めつけは、ブレーザーが目を閉じたとみるやすぐに対応し、音を立てずに後ろに回り込もうとする。
大抵、一度は軽く失敗したりするのに!
しかも音をたてないように口元を隠すお手々の仕草のかわいいことよ!
えげつないのに憎めない怪獣でした。
「正体不明のまま武器を打ち込むわけにはいかない」
個人的にはちょっと意外に思った発言。
というのも、SKaRDはともかく地球防衛隊は人間社会に影響があると判断すると、怪獣について調べもせずに先制攻撃している印象があったから。
ゲバルガしかり、ガヴァドンしかり。
ただの妄想だが、前回のガヴァドン戦で出た町の被害が明らかに防衛隊のミサイルの影響だったから、今回は慎重になっているのかなと考えた。
もしくは、地中に既に穴があることから下手に地中を攻撃して地盤沈下が広範囲に発生した時のことを危惧したのかもしれない。
幻覚×SKaRD
テルアキ副隊長の場合
今回のリアクション大喜利(そんなものない)大賞はまたしてもこの人。
まさかのおはぎ苦手。しかも小さい頃からとのこと。
確かにイメージ映像の蠢くおはぎはなかなか気持ち悪いものだが、それにしたって土の中の生物を見ておはぎを連想するって……ほんとにすごいな。
仮にもゲント隊長に次ぐ経歴があって数々の作戦に参加してて、作戦展開中に右足首骨折とかも経験してる(OPの勤務記録より)なのに、どんな怪獣よりおはぎが怖いの、一周回って大物感ある。
結果的にはこの途方もない幻覚が怪獣の特徴を読み解くきっかけになるの、すごくいい。
あと、例の証言モンタージュ怪獣を見て、幻覚の可能性→ガスの発生を即座に疑って速やかにガス検知器とガスマスクを用意するの、もう優秀オブ優秀で文句のつけようがない。
アンリさんの場合
次回予告の時から予想できていたが、やはりアンリさんの見た幻覚は巨大な昆虫=タガヌラー。
ここについては3話の時点から本人めっちゃ嫌がってたし納得。
でもアンリさん、アースガロン越しとはいえ一度直接対面しているのに、やっぱり怖いのね。
3話の時はものすっごく頑張ってたんだな……。
ヤスノブの場合
好きなものはいくらでも答えられるけど嫌いなもの・恐れるものが何か予測できなかったこの人。
カナン星人ときたかぁ。
恐らく正確には、大好きな機械たちに裏切られることなのかなと思う。
でも赤目のアースガロンではない、アーくんが裏切るとは思っていないところがヤスノブらしさなのだろうな。
個人的には、巨大カナン星人出現時の手の感じがとても好き。女の子っぽくて不覚にもかわいいと感じてしまった。
ゲント隊長の場合
きっとコメディ路線なら巨大野菜ジュースだったのだろうが(笑)実際には火花の飛び散るアースガロンを幻視する。
こっちがアースガロンだったかぁ。
作戦失敗の象徴としてボロボロのアースガロンという形になったようだが、1話や12話での言動を見るに、真に恐れるのは仲間の命を失うことなんだろうな。
今回の幻覚が”モグージョンが別のものに見える”タイプだったからこうだったけど、もっと別の形で見せるタイプだったらヤバかっただろうな。
そして唯一、幻覚にその場で打ち勝ったゲント隊長。
ここ、ゲント隊長が動けなかったら最悪3人、少なくとも1人は文字通りモグージョンの餌食になっていたので、本当にギリギリだった。
本人曰く、特殊部隊時に死ぬほど訓練したから打ち勝てたとのことだが、エミさんの苦戦具合から察するに生半可な訓練ではその場で即復帰は難しそう。
ここの解釈はたぶん二通りあって、
- 本人の進言通り訓練のおかげ。加えて「作戦が失敗しそうなら、俺が行く」と普段から覚悟が決まりすぎているから。つまり幻覚の内容との相性が良かった。
- ウルトラマンブレーザーが宿っているから。12話など記憶を元にゲント隊長に話しかけているし、脳内で幻覚を解く手伝いをしたか、ウルトラマンがいることで耐性があるか。
よーく聞くとゲント隊長が幻視した後に目を閉じるところでブレーザーっぽい音が鳴っているので、十分ブレーザー影響の可能性もあると思う。
さっきも書いたが、さすがに数秒で即復帰はどんなに訓練した人でも難しそう。
でも本人はあくまで訓練のおかげだと思ってる。
こんなチート人間の適当なアドバイスしか事前情報がなかったエミさんは災難だったと思う。
エミさんの場合
何気にゲント隊長に次ぐ完璧超人っぽさのあるエミさん。
何を見てしまうのかと思ったら、まさかのエミさん本人。
これは色々と勘ぐってしまいますね。
私の考えでは、エミさんは自分を信頼していないのだろうと思う。
これまで諜報員として様々な役回りを演じ、その才能から重宝されることも多かったであろう(レヴィーラのノヴァイオ社が好例)が、最後は裏切る形で袂を分かってきたはず。
しかも見てきた人間はいずれも「どこもかしこも真っ黒(第4話)」、17歳からこの世界に居て実感を持って知っている状況。
となれば、『自分にもどこか自覚のない黒い部分があるのかもしれない』とか『いつかは今の組織=SKaRDを裏切るに違いない』とか不安を持っていてもおかしくないのかなと。
実際、天真爛漫に振舞っているように見えて仕事の時は一段低い声色で任務を忠実に遂行するし、天真爛漫さも本当の心の壁を見せないための仮面という雰囲気がある。
加えて、お父さんの失踪事件やV99のこともある。
これまでと違って(?)SKaRDの居心地が良くなるほどに自分への不信感が強くなっていたりしたのかも。
そして今回、幻覚という形で表出した。
この幻覚を打ち払ってくれたのが、SKaRDメンバーとAI対話システム・EGOISS。
間違いなく、今回MVPはSKaRDに危機を伝えたEGOISS。
だが流石に会ったばかりのアーくんの声はエミには届かない。
SKaRDメンバーの粘り強い声掛けと、特殊部隊での訓練の成果と、たぶん光線の効果持続時間のおかげで、無事に立ち直りブレーザーを援護した。
この声掛けシーンも三者三様でキャラが立ってていいし、SKaRDメンバーの声が染入るようにして幻覚が解けていく演出も最高。
ちなみにこの部分、エミ役の搗宮姫奈さんの解釈が公開されてます。
みなさんこんにちは!搗宮姫奈です!
— Tsukimiya Himena 搗宮姫奈 (@himenachaaaaan) 2023年10月28日
最近の #ウルトラマンブレーザー でエミ隊員の心の中が少しずつ少しずつ見えてきましたね🤔
16話で隊員たちが苦戦していた『モグージョン』の能力は、手のひらから放つ光を見せる事によって恐怖や嫌悪感に関わる幻覚をみせるというもの。… pic.twitter.com/QW7SMxFvqR
私は基本公式順守派なのでこれを言われたらもうこれが答えと言ってしまいたいところなのですが、一方で各々の解釈を重視しているとの発言があるので、今回は自分の感じたことを残しておくことにした。
幻覚エミさん
幻覚としてだが、巨大女性隊員が登場。
しかも今回はがっつり格闘!たぶん史上初、50m級でウルトラマンと格闘した女性隊員となった。
これがまた最高にかっこいい。SKaRDメンバーの格闘シーンはどれだけあってもいいですね!
加えて過去の巨大女性隊員と違って表情豊か。
ただ、エミさんが嫌いなもの・恐怖するものとして表出しているので、結構怖い。
加えてモグージョンの知能指数が高いから、ここで実体の怪獣も笑ってたんだろうなとかウルトラマンのお腹に爪突き刺してたんだろうなとか違和感ない。
モグージョンのかわいい見た目、普段のエミさんのさっぱりとした美しさからのギャップもあって、強烈に印象深かった。
ミニチュア撮影
個人的に、今回の特撮の中でもミニチュア撮影がかなり好き。
怪獣の手前にモッピー(SKaRDMOP=移動指揮車)が走ってきたり、穴埋め工事のダンプカーが土を入れていたり。
ネットの情報によると、監督・辻本さんが得意とする演出らしい。
動くミニチュア大好きです!!!
EGOISSとアーくん
第13話で次も開発中と明言されていたアースガロンの強化アイテム。
まさかAI対話システムとくるとは。
でもあの理科準備室や大学の実験系研究室にしかなさそうな、実験器具カタログぐらい分厚い取扱説明書(しかもMod.2が出る前でその厚み)をAIが肩代わりしてくれたら絶対に助かる。
EGOISSの運用の基本は、機長の代わりということなのかな?
これでアーくん搭乗者が一人でも無問題だ!
……個人的には二人乗りにロマンを感じていたけど、少数先鋭すぎるSKaRDで二人も必要とするのは確かに問題だよね。
しっかし、どこの人工知能システムがベースにあるのでしょうか?
テストもまだなのにあんな会話相手を思いやる発言をできるのは高性能すぎ、いいなあ。
EGOISS搭載と連動してなのか以前からなのか分からないが、エミさんがパニックに陥っていてもモグージョンの攻撃に対して姿勢制御?しようとしていたのが気になるところ。
やられっ放しではなく、元の姿勢や搭乗者に負担の少ない姿勢になってたよね。
EGOISSに多少の操作権限が与えられているのかも、あくまでアースガロンの動きの補助として。
同時に全く攻撃していなかったことも記録しておく。
カナン星人の件もあったし、人間の手でボタンを押さないと攻撃できないようにプロテクトがかかっているのかも?
EGOISSに攻撃関連の回路がつながっていないだけかもしれない。
SKaRDの絆
2話に突如集められたSKaRDも、ここにきて本当に「良いチームになった」なぁ。
お互いに軽口を叩けるようになったし、人見知りがちなアンリさんもしっかりツッコミやエミさんと抱き合って喜ぶ姿を見せてくれるようになった。
ヤスノブさんのイケメン優秀メカニック一辺倒だった(?)メッキも剝がれてきて、機械のあだ名呼びの癖がばれたりコミカルな部分も前面に出てきた。
なにより、人当たりの良いコミュ強の仮面でその実、他者を寄せ付けていなかったエミさんが、まだ自分のことを話さないとはいえ、SKaRDメンバーを能力だけでなく人として頼りにしているところが見えてよかった。
テルアキ副隊長はその点、当初から芸人張りの過剰リアクションをみせていたしトマト差し入れとかもあって印象は変わらないけど、年配の人が率先してクダけていたからこそ短期間でこの空気感に落ち着いたのだろう。
やはりSKaRDは箱推しです。
だからこそ、ゲント隊長の隠しているウルトラマンブレーザーとの関係とか、エミさんがご執心の父親&V99関連が、不穏でならない。
大人的にはワクワクが止まらない、ともいう。